介護リーダーの概要について

まずは概要を知る

介護リーダーとは

介護施設などで介護スタッフのまとめ役として機能するのが介護リーダーです。介護業界を巡る動きは日々変化していますが、制度の改正が進む中で介護リーダーに求められる役割も日々変化しています。

重要な存在

介護リーダーはグループで実践するケアにおいて介護スタッフをまとめる存在です。介護や福祉に関する専門的なスキルだけでなく、スムーズに業務を行うためのコミュニケーションスキルなども求められます。近年は認知症の高齢者が増え、介護に対する社会全体の考え方が変化しているため、多様化するニーズに応じた柔軟な対応力も必要です。少子高齢化が進む日本では地域包括ケアシステムの構築が進められていますが、その中でも特に重要な役割を担う存在だといえるでしょう。国は人材確保のために介護人材の機能分化を進めており、その中で介護リーダーには一定のキャリアを積んだ人材を配置する方針を定めました。介護福祉士養成課程の教育内容などについても見直しが行われており、随時周知・導入が進められています。

必要な能力

介護リーダーに求められる役割と能力として、厚生労働省は以下の3点を挙げています。
まずは「高度な知識・技術を持つ介護の実践者としての能力」です。専門的なスキルを用いながら他職種と連携し、幅広い業務を行います。具体的には、認知症の高齢者への対応、医療依存度の高い高齢者への対応、終末期の高齢者への対応、障がいを持つ高齢者への対応、高齢者のご家族への対応などが挙げられます。これらのケアを適切に提供するためには、高齢者の状況を詳細に把握し、的確に判断する力が必要です。
次に「介護技術の指導者としての能力」です。所属するグループのリーダーとして介護スタッフへの指導や助言、業務の割り振りなどを行います。リーダーとしての役割を果たすためには、ADLやアセスメントの効果を正確に把握した上で指導を行わなければなりません。後進を育成し、介護スタッフのスキルを底上げしていく管理者としての能力が必要です。
3つ目が「グループで提供するサービスをマネジメントする能力」です。介護サービスの提供管理者として利用者やそのご家族へ情報を共有する義務があります。また、共に業務を行う介護スタッフのフォローも必須です。そのためにはあらかじめ作成された介護計画を把握した上で、その内容に沿った介護がしっかり行われているかを観察しなければなりません。そして、介護の質向上に向けた取り組みを怠らず、他職種・各機関と連携していきます。